今年も新入社員の季節となりましたが、連日ニュースを賑わせているのは退職の話題です。
退職代行サービスの「モームリ」によると、先週この会社に来た依頼だけで既にこの人数だそうです。去年の2.8
倍だとか。
4月1日 火曜 5件
4月2日 水曜 8件
4月3日 木曜 13件
4月4日 金曜 20件
4月5日 土曜 1件
4月6日 日曜 4件
4月7日 月曜 42件
初日に辞める人は行動力があり過ぎるなと思いますが、一般的には週明けくらいに動き出すようです。
土日に悩んで近しい人に相談して、月曜日朝一で相談といった感じでしょうか。
実際辞めた人はこのような理由だそうです。
①不動産業に就職した男性
「求人票の出社時間と実際の出社時間が違った」
②教育関連の仕事に就職した女性
「入社後に休日出勤の必要があると聞いた。入社前にそんな説明は一切受けていない」
③飲食業に就職した女性
「思っていた接客業務と違い、やりがいを感じる機会がないと感じた」
④事務関連に就職した女性
「入社式で、社長が新入社員ともめて大勢の前で怒鳴っていた。その後、廊下でも『なめてんのか』と説教しているのを見て、退職を決意した」
①と②に関しては、完全に会社の責任です。そもそも商品やサービスは購入前に聞いていた説明と実際が異なってい
たら返品やクーリングオフができて会社が責任を負うのに、なぜ退職はこちらの都合で退職となるのでしょうか。
求人票と実際の内容が違ったのであれば、その会社の業務を停止するくらいの法律があっても良いと思います。
また③はいわゆる企業と個人のミスマッチの代表例です。企業側の説明が足りないことと、新入社員の企業研究が足
りないことが理由です。もっと入社前にお互いが接点をもたなければなりません。大学選びも同じで、このタイプの
退学はかなり多いです。勉強ばかりに目が行きがちですが、実際入る大学の学科がどんなことをやっているのか、き
ちんと自分で調べておかないと、実際に通い始めてから嫌になっていきます。
④については論外です。
実際に辞めた人にアンケートを取ってみるとこのようなランキングになっています。
アデコグループのホームページより


こうしてみると上位4つは、会社がきちんと情報を出すよう法を整備して、就職活動に2週間ほどのインターンシッ
プを義務化するなどすると防げるのではないでしょうか。ですが実際はそんなことあるはずもなく、上述のように求
人票で謳っていることと実際が乖離している会社も数多く存在するので、いくら自衛したところで本人の努力だけで
は回避不可能な就職がたくさんあるということになります。
このようなことを考えると、塾の商品は合格ですが、合格できればそれで終わりという考えでは終われないような気
がします。大学に合格できました、就職しました、すぐに辞めました、第二新卒の採用がこんなに少ないなんて聞い
ていませんでした、なんてことになると取り返しがつきません。その大学が本当にその子のやりたいことと合致して
いるのか、入ってからきちんと進学できそうか、その子の就職したいところに対してそこが本当に近道なのか、そこ
に対するアプローチはとても大事です。大学合格のみに焦点を絞り過ぎると、その先にある就職で意外な深みにはま
る危険性があるということは、知っておいてほしいと思います。