そろそろ受験も終盤戦になり、赤本を使った勉強を始める時期になりました。
赤本を勉強することは、志望校の合格を目指すうえで非常に重要です。
効果的に活用することで、合格の可能性を大きく引き上げることができます。
今回は赤本の使い方や活用方法について書いてみました。
赤本を使う目的
- 志望校の出題傾向を把握する
志望校の入試問題には、特有の出題傾向や形式があります。赤本を解くことでその特徴をつかむことができます。
例えば、浪速高校の社会の問題では必ず都道府県名を答える問題が出題されています。
他にも、桃山高校の理科の問題では1~2問高校内容の理科知識を利用している応用問題が出題されています。
出題傾向を知っているかどうかでは合格に大きな差がつきます。
- 試験時間の感覚を養う
実際の試験時間内で解く練習をすることで、本番のタイムマネジメント能力が身につきます。
各教科解いていく順番など自分の作戦を立てましょう。
- 自分の実力を確認する
現時点での得点を知り、苦手な分野や克服すべき課題を明確にします。
苦手範囲がわかればその範囲を徹底的に復習することで効率よく偏差値を上げることが出来ます。
取り組む時期の目安
- 夏休み明け(9月頃)
最初に1年分の過去問に挑戦してみます。この段階では点数よりも「入試問題に慣れる」ことが目的です。
まだ習っていない範囲もあるため解けなくても気にしなくて大丈夫です。
オープンキャンパスに行った際にもらえる入試問題がおすすめです。
- 12月〜2月(私立高校志望の場合)
私立高校の過去問を重点的に解き、本番前に出題傾向を把握しつつ得点力を高めます。
解く問題は志望高校の問題だけで大丈夫です。
- 2月〜3月(公立高校志望の場合)
私立高校の試験が終わった後、公立高校の過去問演習を始めます。
この時期は、実戦的な取り組みが重要です。
より多くの問題に取り組めるようにしましょう。
効果的な使い方
- ステップ1:模擬試験のように解く
時間を計り、本番と同じ環境で解きます。
可能であれば静かな場所で、実際の試験時間に合わせて解き始めると、より効果的です。
- ステップ2:採点と自己分析
解答後は必ず採点を行います。赤本には解答・解説がついているため、どこが間違っていたのかをしっかり確認しましょう。
また、間違えた問題を以下の3つに分類しておきましょう。
・ケアレスミス(理解はしているが、ミスをした問題)
・やり方はわかったが解けなかった問題
・全くわからなかった問題
- ステップ3:記録をつける
各科目の点数を記録し、どの分野が苦手なのかを把握します。
次に過去問の合格基準点と比較して、自分の実力との差を確認しましょう。
- ステップ4:復習を徹底する
間違えた問題を中心に復習を行います。特に、同じ形式の問題を繰り返し解くことで確実に克服しましょう。
解けなかった問題に関連する基礎知識を再確認するのも効果的です。
また、一度解いた問題でも、数週間後に再度取り組みましょう。
問題の形式や解き方を体に染み込ませることが重要です。
赤本を使う際の注意点
- 早すぎる段階で使わない
基礎が固まっていないうちに過去問に取り組むと、難しさに圧倒されてしまうことがあります。
まずは基礎を固めた上で挑戦しましょう。
- 闇雲ではなく計画を立てる
やみくもに過去問を解くだけでは効果が薄いです。
必ず解いた後に復習し、次に活かせるようにしましょう。
また、1年分ずつ取り組み、徐々に最新年度の問題に進んでいくと効果的です。
- 多すぎる学校の過去問に手を出さない
志望校を絞り、必要な学校の過去問だけを重点的に解きましょう。
- 本番を意識して取り組む
試験環境をできるだけ再現し、実戦感覚を養おう。
時間を測ることを忘れずに。
- 点数だけでなく内容を見直す
点数が低くても落ち込まず、「なぜ解けなかったのか」を振り返りましょう。
本番で点数を取ればいいのです。
- 捨て問を作る
聞こえが悪いですが、捨て問を作ることは非常に重要です。
例えば大阪教育付属センターの英語の平均点は35点ほどです。(90点満点)
つまり、大阪教育付属センター付属を受験する受験生にとって英語のB問題は難しすぎるのです。
その状況で英語に苦戦しているのであれば先に他教科で点数を取れるようにしようと作戦を立てる方が合格の可能性が高まります。
赤本は受験勉強の「地図」のようなものです。
計画的に活用し、合格への道筋をしっかり描いていきましょう!
創心館 あびこ校 田村