~英検早期取得の意外な盲点とは~
こんにちは。創心館の小西です。
昨今は大学入試だけでなく、大阪府の公立高校入試、私立高校入試、中学入試でも「英検取得級」や「スコア」に応じて、さまざまな優遇措置を受けられるケースが増えています。
その影響もあって、保護者の方々の間でも英検への関心は年々高まっており、早期取得を目指して英語学習に取り組むご家庭も多く見られるようになってきました。
英検取得のメリットは確かに大きい
英検は、「資格試験」としての価値だけでなく、英語学習に明確な目標を与えてくれるという意味でも、大変有効な試験です。
早い段階で英語に真剣に取り組むことで、子どもたちのモチベーションも上がり、合格という成功体験が自信にもつながります。
ですが――
今回は**「英検の早期取得には、実は注意すべき落とし穴もある」**ということを、ぜひ知っていただきたいと思います。
合格=完璧ではない!「やらなくなること」が最大の落とし穴
表題にある最大のデメリットとして、また私が実際に指導していて感じる一番の課題として、**「合格した級の内容を復習しなくなる」**ということがあります。
例えば英検3級に合格した生徒が、すぐに準2級の勉強へと進んでいく中で、3級レベルの文法や単語に抜けがある状態のまま先に進んでしまうことが少なくありません。
すると、「長文が読めない」「リスニングが聞き取れない」「英作文が全然書けない」といった壁にぶつかるのです。
原因をよく見てみると、準2級の内容の勉強が不十分であるということに加えて、実は「前の級の内容の定着が不十分」というケースが多々見られます。
合格できないときこそ「一つ下の級」を見直す勇気を
もし、なかなか受験級に合格できないという状態が続くときは、ぜひ一度「その級の内容が本当に身についているか?」に加えて、「その前までの級の基礎が定着しているか?」ということも確認してみてください。
ここで大切なのが、**“振り返る勇気”**です。
「いまさら下の級に戻るなんて…」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、英語は積み上げ型の教科です。
あえて一歩戻って復習を徹底することで、次の級に必要な力を自然と補強でき、逆に合格への近道になることも多いのです。
実例紹介:英検2級に合格した中3生の学び方とは?
少し前に、中学3年生で英検2級に合格した生徒がいました。
彼女は2級の単語帳を一生懸命覚えていましたが、それと同じくらい合格に寄与したのが、準2級レベルまでの単語を高いレベルで身につけていたという点です。
彼女は準2級の合格には少し時間がかかりましたが、準2級の勉強の際に3級までの内容の見直しを行い、さらに準2級の内容に高い次元で取り組んだことで、2級にはそれほど時間をかけずに、周りの中学3年生よりもかなり早く合格することができました。
上記の例からもわかる通り、英検2級の長文問題やリスニングにも、準2級までの語彙が数多く登場します。現在でしたら2級と準2級の間に準2級プラスも追加されましたね。
つまり、「英検2級に合格するためには、2級の単語だけ覚えればいい」というわけではないのです。
実際に英検2級の場合、リーディングセクションの最初の17問(単語と熟語に関する問題)は2級の単語帳をいかにインプットできているかが大切になります。しかしながら、長文やリスニングでは2級相当の単語ばかりではなく、その前までの級の単語や熟語、文法の理解が大切になります。英作文に至っては、英検3級相当の内容を正確にアウトプットできれば十分に太刀打ちができるといっても過言ではありません。
英検は「力をためる場」。焦らず、確実にステップを!
英検の取得において大切なのは、**「合格すること」そのものではなく、「その級の内容をどれだけ使いこなせるようになったか」**です。
資格だけが先行し、中身が伴わないまま上の級を目指してしまうと、どこかで苦しくなるのは間違いありません。
だからこそ、合格を急がず、確実に力を積み上げていくことが、結果的に次の級への最短ルートになります。
英検取得を検討中の方で、まだ英検を受験されたことがないのであれば、今の時期であれば、小学生から中学1年生は英検5級から、中学2年生は英検4級から、中学3年生は英検3級ないしは準2級から勉強をスタートしてみるといいのではないでしょうか。
現在は年3回の英検に加えて、3級以上の級についてはSCBTでの受験も可能となり、受験のチャンスはたくさんございます。SCBTであれば最短で申し込みから一か月後に受験できますので、試験日までの勉強の道筋も立てやすいのではないでしょうか。
創心館では英検取得を全力でサポートしています!
創心館では、英検取得に向けた指導を「集団指導(適宜開講)」および「個別指導(随時開講)」の形で行っています。
「なかなか単語が覚えられない」
「英作文をどうやって書いたらいいかわからない」
「リスニングの対策のやり方がわからない」
「要約問題って何?」
――など、どんなお悩みにも対応可能です。
英検合格に向けて、一人ひとりに合わせた最適な学習プランをご提案いたします。
ご興味のある方は、ぜひお近くの校舎までお気軽にお問い合わせください!
最後に:今回のブログでお伝えしたいこと
今回の内容を、改めてまとめてお伝えします。
◆ これから英検を取得しようと考えている方へ
「早く受かりたい」「周りよりも先に進みたい」――その気持ちはとても自然で、前向きな姿勢です。
しかし、英検は“力の積み上げ”があってこそ意味があります。
合格の先に本当に使える英語力を手に入れるためにも、焦らず、今学んでいる内容を一つずつ丁寧に定着させていくことが、結果として近道になります。
目指す級があるなら、その級の参考書を開く前に、「その一つ手前の級の内容は本当に使いこなせているか?」を見直してみてください。
準備期間にどれだけ土台を整えられるかで、結果は大きく変わります。
◆ すでに英検を取得した経験があり、これから先の級の受験を進めようとしている方へ
まずは、すでに合格した級にしっかり向き合ってきたその努力に拍手を送りたいと思います。
しかし、その合格が「もうこの内容はやらなくていい」という油断につながってしまっては、とてももったいない。
英検は、級が上がれば上がるほど、過去に学んだ内容の“土台の強さ”が問われます。
上の級を目指す勉強で行き詰まりを感じた際には、一度立ち止まり、合格済みの級の単語や文法を再確認することをおすすめします。
「できるつもりだった」ことを「確実にできる」に変えていくことで、上の級の長文やリスニング、英作文にも確かな手応えを持てるようになります。
ですが、実際に勉強をしてみて、自分自身が今どれくらいの立ち位置にいるのか自ら把握することは困難です。行き詰まりを感じた際にはいつでも我々がその後の道筋を開く手助けをできればと思いますので、先生たちに遠慮なく相談してもらえると嬉しく思います。
創心館では、英検の取得を通して、“本物の英語力”を育てるお手伝いをしています。
受験対策の一環として英検を活用したい方も、将来の武器として英語をしっかり学びたい方も、どうぞお気軽にご相談ください。
文責:小西正也