近畿大学の国語の問題は同レベルの大学よりも解きにくいという声を周りから聞いたことがありません
か?実際に私も20年分ほど解いておりますが、癖が強くてあまり気分良く解けるものではありませ
ん。おそらく皆さんも過去問を解きながら、予想外の点数の上下に一憂ばかりしているかと思います。
なぜこのような違いが生じるのか、またどのような姿勢で臨むべきなのか考えてみました。
1.本文の注釈が少な過ぎる。
近大の問題の特徴を挙げるならば、まずはこれです。近大に出題される本文は抽象的なものが多く、読
んでいてもなかなか頭に入ってこないものばかりです。大人が読んでも意味が分からないものもありま
す。以前千葉大学で出題されたものと全く同じ文章が出ていましたが、千葉大学では注釈がわんさか入
っていたにも関わらず、近大では注釈が一切なしでした。受験日程が多く大量の問題を作成しなければ
ならないため注釈をつける時間もないのでしょうか。このことを考えると、本文を全部読んで理解して
から設問に挑むというやり方は難しいと思います。設問毎に傍線部付近を読むという方法に切り替えた
方が対応しやすいです。もちろん普段から文章に慣れていて、読解力のある学校や予備校のすごい先生
の視点になると、きちんと文章を理解しなさいという話になるのですが、そもそもそれを高校3年間で
できるようになる高校生はほとんどいませんし、一人ひとり能力が違うのにそれを要求するのは酷な気
もします。
注釈が少ない近大の難解な文章は部分読みに徹して下さい。
2.選択肢が雑なので消去法が通用しない。
近大の問題の解きにくさの原因はここにあります。共通テストや関西大学の国語の問題では、選択肢の
部分部分を丁寧に読み解きながら、間違っている箇所や根拠の薄い場所を消しつつ、自信をもって正答
を選べることが多いため非常にすっきりしますし、点数も安定しやすいです。ですが、近大の国語は選
択肢が雑な(作りこまれていない)ため、消すことができない選択肢が多くなります。そうなると、自
分の読解力に頼って正答ぽい選択肢を選ぶことになるのですが、これが安定しないため得点が上下する
わけです。では、どのように対処すれば良いのかというと、効果は薄いですが消去法は使って下さい。
意外と消すことができる選択肢もあるため、全く効果がないわけではありません。そして、根拠の薄い
消せない選択肢は残した上で、次は設問の傍線部前後を繰り返し読んで下さい。近大の国語のキーポイ
ントはここです。ほとんどの問題は傍線部の付近にしか正解の根拠がありません。解答の検討もつかな
いのであれば、傍線部付近に出てきている言葉と似たようなことを言っているぽい選択肢を選ぶだけで
もOKです。傍線部付近を読んでも解けない問題は解けなくても、合格点には届くので大丈夫です。
入試の時は周りが全て賢そうに見えますが、周りの人もみんな同じことを考えていますので、できる限
り肩の力を抜いて頑張ってください。