こんにちは、上原です。
「演習をたくさんこなしているのに、なぜか成績が伸びない」
「同じ問題集を3周したのに、本番で解けなかった」
そんな経験、ありませんか?
もちろん、勉強量を積み重ねることは大切です。
ただ、それが“質”をともなわない努力になってしまっている場合、思うような成果が出ないことがあります。今回は、本当に力になる「質の高い勉強」とは何かについて、考えてみたいと思います。
「やったのに伸びない」その原因は?
問題集を何周もやっている。
毎日机には向かっている。
それでも点数が取れない――
そんなとき、多くの場合、「理解の浅さ」が原因になっています。
- なぜその公式を使うのか分からない
- 同じパターンじゃないと手が止まってしまう
- 「答えは出せるけど説明はできない」
これらはすべて、“量を重ねた結果”のようでいて、質が伴っていないサインです。
理解を深めることが、再現性を生む
たとえば、「なぜ速さ=距離÷時間なのか」を、自分の言葉で説明できるか。
ただ丸暗記しているだけでは、少し聞かれ方を変えられただけで、戸惑ってしまいます。
“解き方を覚えた”だけでは応用が効かない。
でも、“意味が分かっている”と、どんな聞かれ方でも対応できる。
これが、**テストでも入試でも通用する「再現性のある力」**です。
量ではなく、質を高める勉強法とは?
質の高い勉強とは、「なぜ?」「どうして?」を大切にする勉強です。
その場しのぎの暗記ではなく、本質に迫る思考が求められます。
たとえば…
- 「この問題は何を問うているのか?」と自分に問いかけてみる
- 「なぜこの方法が使えるのか?」を説明できるまで考えてみる
- 「別の場面で使うならどう応用できるか?」と発展的に考えてみる
こうした習慣が、時間はかかっても“真の実力”につながっていきます。
入試に強い子の共通点は「質にこだわる姿勢」
定期テストで点を取るために、ある程度の演習量は必要です。
しかし、それは理解という土台があることが前提です。
土台のない上に積んだ演習は、不安定なまま崩れてしまいます。
「とりあえず解いてる」から「理解してから解いている」へ。
この意識の違いが、半年後・1年後に大きな差になります。
また、入試では、問題の形式が毎年変わります。
丸暗記の“パターン対策”では太刀打ちできません。
一方、理解を土台にした学習を積み重ねてきた生徒は、初見の問題でも粘り強く考え、正解にたどりつけます。
これは、「演習量が多いから」ではなく、“一つひとつを丁寧に理解してきたから”こそ身についた力です。
おわりに:今こそ、“質”の価値に目を向けよう
「どれだけ解いたか」ではなく、「どれだけ深く理解できたか」。
テスト直前になるとつい“量”に頼りがちになりますが、本当に育てたいのは、“形が変わっても使える力”です。
演習量は“見える努力”ですが、理解を深めることは“見えにくい努力”。
けれど、その静かな積み重ねこそが、どんな問いにも自分の頭で立ち向かえる力を育てていきます。