小学生のあるクラスでは、今年の春から初めて塾通いするという子たちだけが集まっています。もちろん小学校では
1年生の頃から授業を受けてきているので授業の受け方は知っているはずなのですが、授業中に騒ぐ・席を立つなど
は日常茶飯事で、それが当たり前のこととして育ってきたようです。そんな子たちが塾に来ると、まず学校との違い
に驚きます。なぜ授業中静かにしないといけないのか、席を立ってはいけないのか分からないのです。そういうとき
は「こら、騒いではいけません。」だとか、「席につきなさい。」と注意しがちですが、実はこれらの言葉は全く効
果がありません。泥棒に「待てー。」と言っても無駄なくらい、効果がありません。ではどうすれば効果的なのかと
いうと、なぜダメなのか理由を説明することです。大人にとっては当たり前のことなので、とかく理由を省略して子
供を叱りがちですが、意外と子供は分かっていないものです。大人の「なんで怒られるか分かっているだろう。」と
いう思い込みこそが、両者の間に溝を生じさせている最大の原因です。
毎回毎回理由を説明して怒るのもどうかと思いますが、本気で叱らなければならないときはきちんと理由を説明しな
ければなりません。理由を説明してあげると、あんなに騒がしかった子が嘘のように真剣になってくれるということ
がよくあります。1回叱ってもなかなか理解してくれませんが、毎回の授業で少しづつ伝えていくと段々と理解して
くれます。4月の授業では態度の変容に心血注いでいますが、これが5月以降の授業の受け方に響いて、それが成績
アップへとつながっていきます。この4月は講師も生徒もみんな大変ですが、みんなで頑張って乗りきって、お互い
強い信頼関係を築けるようにしていきたいと思います。