わからない言葉を“そのまま”にしない力が、学力を伸ばす
テストや文章題を解いているときに、お子さんが見慣れない言葉や知らない英単語に出会ったとき、どう対応しているかご存じでしょうか?
「なんとなく読み飛ばす」「前後の文でなんとなく意味を推測する」……実は、この“ちょっとした差”が、語彙力や読解力、ひいては成績に大きく影響してきます。
国語でも英語でも、「意味調べ」の習慣がある子とそうでない子では、数か月後・1年後の読解力に大きな差が生まれるのです。
国語でも英語でも、理解のカギは「語彙」
国語の文章題には、慣用句・ことわざ・熟語といった、日常生活ではあまり使わない表現がよく登場します。
例えば、「二の足を踏む」「さじを投げる」「花を持たせる」など。意味がわからないまま読み進めてしまうと、文章全体の内容をぼんやりとしかつかめず、正確な読み取りが難しくなります。
英語の長文読解でも同じです。知らない単語を飛ばしながら読むと、文全体の意味を取り違えることがあります。1つの単語の理解が、文章全体のニュアンスを大きく左右することも少なくありません。
だからこそ、「わからない言葉をその場で調べる」姿勢がとても大切なのです。
意味調べで得られる3つの効果
「意味調べ」と聞くと、なんだか面倒な作業のように感じるかもしれません。
しかし、実はこの習慣こそが、学力の土台をつくる非常に効果的な勉強法です。具体的には、次の3つの力が身につきます。
① 語彙が増える
一度調べた言葉は、テストや授業で再び出会ったときに「あ、前にも見た!」と記憶がよみがえります。繰り返し出会うことで、自然と語彙が定着していきます。
分からなかった言葉などを一冊のノートにまとめておくのも効果的です。
② 読解力が上がる
わからない言葉が減れば、文章全体の理解度が上がります。「なんとなく読む」から「しっかり内容をつかむ」へと、読み方が変わっていきます。
③ 自分で考える力が育つ
意味を調べ、理解し、次に活かす。このサイクルを自分の力で繰り返すことで、勉強に対する姿勢が受け身から能動的に変わっていきます。これは成績だけでなく、将来の学び方そのものにも大きな影響を与える力です。
「その場で調べる」姿勢が伸びる子の共通点
成績が伸びる生徒に共通しているのは、「わからないことをそのままにしない」という姿勢です。
授業中や自習中に、わからない熟語に線を引いてその場で調べる。英単語がわからなければ辞書アプリや文法書を手に取る。こうした小さな行動の積み重ねが、後々の大きな差につながっていきます。
自分の力ではどうしようもない場合は、授業外で塾に来て先生に徹底的に説明してもらうといいでしょう。
一方で、わからない言葉を放置してしまうと、似たような表現に出会ってもスルーしてしまい、語彙が広がっていきません。これが続くと、文章を「なんとなく」で読んでしまい、選択肢で迷うパターンが増えてしまいます。
意味調べだけではなく、些細なことでも成績は実際に上がります。
そのコツを以下のシリーズで紹介していますので是非読んでみてください。
ご家庭でできる声かけの工夫
ご家庭でも、ちょっとした声かけで「意味調べ」を習慣化しやすくなります。
- 「今の言葉、調べてみようか?」と一緒に辞書を引いてみる
- 英単語の意味をスマホで調べるときに、「どんな意味だった?」と聞いてみる
- わかった言葉を家族の会話の中でさりげなく使ってみる
こうした関わりは、お子さんに「言葉の意味をつかむ楽しさ」を感じさせ、勉強に対する前向きな姿勢を育てるきっかけになります。
まとめ:わからない言葉は“未来の得点源”
意味調べは、テスト直前の特別な勉強法ではなく、日々の学習の中で少しずつ積み重ねるものです。
「これは何だろう?」と立ち止まって調べる姿勢が、語彙力・読解力、さらには勉強への向き合い方そのものを変えていきます。
創心館でも、授業中に生徒が「これってどういう意味?」と質問してくれる瞬間をとても大切にしています。
わからない言葉を一つずつ解決していくことが、確実な学力向上の第一歩です。