放出校で成長が著しいとある生徒さんの成長をご紹介したいと思います。
入塾当初は「授業だけ」だった
今年の7月に入塾してくれた中学3年生の女の子。
初めて教室に来たときは、初めての塾に戸惑っていたのか、物静かで丁寧な人という印象でした。
入塾したばかりの頃、彼女が自習席に座る時間ありませんでした。
授業が終わったら、すぐに帰り支度をしてしまうことばかりでした。
けれど、態度が変わったのは夏休み明けの頃。
1時間ばかりではありますが、毎日自習に来てくれるようになったのです。
その1時間を「とりあえずやってみよう」と決めて来てくれていたこと自体が、すでに大きな一歩でした。
声かけと友達の存在が後押しに
そんな彼女に、私から「あと30分だけ残ってみない?」と声をかけつづけていました。
すると、「うーん…」と迷いながらも、少しだけ残ってくれるようになりました。
また、同じ学年の友達が「一緒に残ろうよ」と誘ってくれたこともありました。
その一言が不思議と彼女の心を軽くしたようで、気づけば残る時間が少しずつ延びていきました。
「せっかくだからもう1ページだけやってみよう」
「友達も頑張ってるから、私もやってみよう」
その積み重ねが、いつしか「塾に来たら自習席に座るのが当たり前」
「授業がなくても自習に行くことが当たり前」という習慣につながっていきました。
小さな目標が大きな力に
今の彼女には、はっきりとした目標があります。
「今週末の中間テストで、学校の友達に勝ちたい!」
勉強は本来、人と比べるためにするものではありません。
けれど、中学生にとって身近な友達は、時に最高のライバルにもなります。
「負けたくない」という気持ちが、彼女の心を突き動かしているのです。
その思いを胸に取り組むうちに、数学の問題でも「解ける!」と思えるものが増えてきました。
難しい応用問題を前にしても、以前のようにすぐ手を止めず、じっと考えるようになりました。
そして正解した瞬間には、ふっと笑みがこぼれる。小さな自信が、確かな成長につながっているのを感じます。
祝日の午後、静かな教室で
そして今日、9月23日(火)
世間は祝日です。友達と遊びに出かける子や、家族と過ごす子も多い一日。
けれど彼女は、教室を開けて1時間もしないうちに教室にやって来て、まっすぐ自習席に向かいました。
机の上には教科書、ノート、問題集。ページをめくる音と鉛筆の音だけが静かに響きます。
私はその成長が嬉しくて、手が止まっていたらすぐに声をかけて解説をしました。
ホワイトボードには、解説に使った英語の文法が残っていて、ときどきそれを見上げながら確認していました。
背筋を伸ばして机に向かう姿勢は、夏の初めには想像もつかなかったほど自然で、頼もしく見えました。
変わっていく自分に気づけるとき
彼女自身もきっと、変化を感じているはずです。
「前よりも集中できてる」
「解ける問題が増えてきた」
そんな小さな気づきが、さらに次のやる気を生み出していきます。
塾で過ごす時間そのものが、彼女にとって大切な習慣になっているのです。
そして、習慣の背景にはやっぱり周囲の存在があります。
私を含め放出校の先生たちからの声かけや、友達の前向きな一言。
それらを受け止め、素直に「やってみよう」と思える彼女の姿勢があったからこそ、
ここまで来られたのだと思います。
受験生としてのこれから
中学3年生にとって、これからの数か月は受験に直結する大事な時期です。
模試や内申点、志望校との距離感に一喜一憂してしまう時期でもあります。
だからこそ、「机に向かう習慣がある」というのは大きな強みです。
どんなに不安になっても、とにかくノートを開く。そこからまた次の一歩が始まります。
入塾したときは「1時間の自習ですら大変そう」だった彼女が、
今では祝日も教室に来て机に向かうようになりました。
この積み重ねが、きっと入試本番で彼女を支える力になるはずです。
おわりに
人が変わるのは、一瞬の奇跡ではなく、日々の小さな積み重ねから。
先生の声かけ、友達の誘い、そして本人の「変わりたい」という気持ち。
そうした要素が少しずつ結びついて、やがて大きな変化を生み出します。
今日の祝日の午後、静かな教室の一角でペンを走らせていた彼女。
その姿は、努力の尊さを教えてくれると同時に、「未来はきっと明るい」と信じさせてくれるものでした。