いよいよ、FIFAワールドカップ26(2026年大会)の“運命の夜”が近づいてきました。
現地時間12月5日(金)正午、日本時間では12月6日(土)の未明に、アメリカ・ワシントンD.C.のジョン・F・ケネディ・センターで本大会の組み合わせ抽選会が行われます。
抽選の結果、48か国が12グループに振り分けられ、各国代表の「道のり」が一気に具体的なものになっていきます。今回は、史上初の3か国共催となるワールドカップ26の概要から、ポット1〜4の仕組み、そして毎大会のように話題になる「死のグループ」について整理してみます。
史上初の3か国共催&48チーム制
ワールドカップ26は、アメリカ・カナダ・メキシコの3か国共催で行われます。
3か国での開催はW杯史上初。開催都市は16都市、スタジアムも北米各地に散らばる、史上最大規模の大会です。
大会方式も大きく変わります。
これまでの32チームから 48チームに拡大。12グループ(A〜L)の4チーム総当たりでグループステージを行い、
- 各グループ上位2チーム(12×2=24チーム)
- 3位の中で成績上位8チーム
が、決勝トーナメント1回戦となる「ラウンド32」に進出します。
「出場枠が増える=レベルダウン」という懸念もありますが、クライマックスの試合数は104試合と大幅増。
新興国やこれまでW杯に縁の薄かった国の“初出場”や、“ジャイアントキリング”が増える可能性もあり、ファンとしては楽しみな側面も大きいですね。
ワールドカップ26はいつ開幕? 開幕戦の舞台はメキシコシティ
大会は 2026年6月11日〜7月19日 に開催されます。
- 開幕戦:6月11日(木) メキシコ・メキシコシティ/エスタディオ・アステカ
ホスト国の一つであるメキシコ代表が、伝統あるアステカで歴史的なキックオフを迎えます。 - カナダの初戦:6月12日(金) トロント/BMOフィールド
- アメリカの初戦:6月12日(金) カリフォルニア州イングルウッド/SoFiスタジアム
3つの開催国それぞれに“ホーム開幕戦”が用意されているのも、今大会ならではの特徴です。
ポット1〜4とは? 抽選の仕組みを整理
組み合わせ抽選会では、まず48チームがポット1〜4の4つの“カゴ”に分けられ、そこから1チームずつ引いていくことで12グループ(A〜L)が決まります。
ポット分けの基本ルール
- ポット1
開催国の アメリカ・カナダ・メキシコ に加え、2025年11月時点のFIFAランキング上位9か国。 - ポット2〜4
残りの出場国をFIFAランキング順に並べ、順番に12チームずつ振り分け。 - プレーオフ勝者(6チーム)
欧州予選プレーオフ4枠+大陸間プレーオフ2枠は、抽選時点でチームが確定していないため、自動的にポット4入り。
さらに、同じ大陸連盟のチームが同じグループに入らないように調整されます(欧州だけ例外で、1グループに最大2チームまで)。
現時点のポット1〜4(確定分)
FIFAが公表している現時点のポット分けは、以下の通りです。(チーム名はアルファベット順)
ポット1
カナダ/メキシコ/アメリカ/スペイン/アルゼンチン/フランス/イングランド/ブラジル/ポルトガル/オランダ/ベルギー/ドイツ
ポット2
クロアチア/モロッコ/コロンビア/ウルグアイ/スイス/日本/セネガル/イラン/韓国/エクアドル/オーストリア/オーストラリア
ポット3
ノルウェー/パナマ/エジプト/アルジェリア/スコットランド/パラグアイ/チュニジア/コートジボワール/ウズベキスタン/カタール/サウジアラビア/南アフリカ
ポット4
ヨルダン/カーボベルデ/ガーナ/キュラソー/ハイチ/ニュージーランド/欧州プレーオフA・B・C・D勝者/FIFAプレーオフ1・2
ポット1には強豪揃い、ポット2にもクロアチア・ウルグアイ・日本などW杯常連組が並びます。
ポット3・4にも、アフリカの強豪や欧州プレーオフ組など、油断ならない国がズラリ。組み合わせ次第では、どのポジションからでも“ハズレくじ”を引く可能性があります。
なぜ毎回「死のグループ」が生まれるのか?
W杯の組み合わせが発表されるたび、必ず話題になるのが「死のグループ(Group of Death)」。
「どこを見ても強豪国ばかりで、どのチームも突破が難しそうなグループ」を指すサッカー用語です。
今回のワールドカップ26でも、ポット1〜4のバランスと大陸連盟ルールの組み合わせによって、いくつもの“激戦区”が生まれる可能性があります。
例えばこんな「最悪パターン」
あくまで一例ですが、ルールの範囲内で“考えうる最悪パターン”をイメージしてみましょう。
- ポット1:ブラジル(現世界トップクラス)
- ポット2:日本 or クロアチア or ウルグアイ
- ポット3:ノルウェー or コートジボワール
- ポット4:欧州プレーオフからイタリアやデンマークの古豪・強豪が滑り込み
欧州枠は1グループ最大2チームまで、というルールがあるので、
「ブラジル+日本+ノルウェー+イタリア」
のような4か国構成は、十分に現実味があります(ヨーロッパ2、アフリカ1、アジア1でルール上も問題なし)。
この場合、
- ブラジル:優勝候補
- 日本:近年安定してベスト16以上を狙える力
- ノルウェー:ハーランドを筆頭に個の力では世界トップクラスのアタッカー陣
- イタリア:伝統国&欧州王者経験国
という、“どこが3位になってもおかしくない”怪物グループの誕生です。
逆にポット1の中でも、開催国であるカナダ・メキシコ・アメリカは、伝統的な強豪(ブラジル・アルゼンチン・フランスなど)と比べると“当たり”と見なされるかもしれません。
しかし、そこにモロッコや日本、セネガルのようなポット2の実力国が入ってきて、さらにコートジボワールなどが加われば、あっという間に「死のグループ候補」にランクアップします。
抽選会の見どころ
今回の組み合わせ抽選会のポイントを最後に整理しておきます。
- 史上初の3か国共催&48チーム制の初抽選
新フォーマットの初回ということで、将来の“テンプレ”になる重要な回です。 - ポット1の豪華さと、ポット2〜4の“地雷だらけ”感
ポット1〜4どこからでも強豪が飛び込んでくる構図。正直、どのポジションにも安心はありません。 - 毎度おなじみ「死のグループ」はどこか?
組み合わせが出た瞬間から、世界中のファンとメディアが「ここはヤバい」と騒ぎ出すはずです。
日本がどのグループに入るのか、そしてそのグループが“死のグループ認定”されてしまうのか――注目して見ていきたいところです。
12月5日、ケネディ・センターで転がる一つひとつのボールに、各国の4年間の努力とサポーターの夢が詰まっています。
抽選結果が出たその瞬間から、ワールドカップ26はもう始まっていると言ってもいいのかもしれません。

