中学3年生は2学期に入り、実力テストや五ツ木模試など、高校受験に向けた取り組みが本格化してきました。
その中で、今年もよく見られるのが、**「学校の定期テストや実力テストでは英語の点数が取れているのに、五ツ木模試になると思うように点数が伸びない」**というケースです。
五ツ木模試では英語長文の読解力が求められる問題も多く、普段のテストとの違いに苦戦している生徒が少なくありません。
また、英語長文は中学3年生だけの問題ではありません。
中学1年生の前回の中間テストでも、多くの長文問題が出題されており、長文読解での失点が目立つ生徒が多くいました。
学校の英語の授業では、教科書本文を中心に英文を読む機会はあっても、初めて見る長文を時間内に読み解く練習は、十分にできていないこともあるかと思います。
では、初めて見る英語長文が出題されたとき、どうすればしっかりと得点できるようになるのでしょうか。
今回は、英語長文で点数が取れない原因と、効果的な勉強法・復習方法について考えていきたいと思います。
① 英文法や英単語の知識が不足している場合
まず、中学3年生で英語の点数が伸び悩んでいる生徒について考えてみましょう。
英語長文が苦手な生徒の中には、そもそも中学校で習う基本的な英文法が十分に定着していなかったり、英単語・熟語の知識が不足していたりするケースがあります。
例えば、英語長文を1段落読んだときに、意味のわからない単語がいくつも出てくる場合です。
この状態では、いくら長文を読む練習を重ねても、文章の内容を正確に理解することは難しいでしょう。
また、単語の意味がわかっていても、文法が理解できていなければ、英文全体の意味を正しく捉えられないことがあります。
このような場合は、無理に難しい長文問題に取り組むのではなく、まずは英単語や英文法の復習から始めることが大切です。
特に英文法は、高校入試の文法問題への対策としてだけでなく、長文読解の土台としても欠かせません。
中学3年間で学習する基本的な文法事項に抜けがないか確認し、苦手な単元を一つずつ復習していきましょう。
一見すると遠回りに思えるかもしれませんが、基礎をしっかり固めることが、結果的には長文読解の得点力向上につながります。
② 文法問題は解けるのに、長文問題になると点数が取れない場合
次に考えたいのが、文法問題ではある程度得点できるにもかかわらず、長文問題になると思うように点数が取れないケースです。
この場合、英語の知識そのものよりも、英文の読み方や、普段の長文読解の練習方法に問題がある可能性があります。
特によく見られるのが、英文を一文ずつ日本語に訳そうとするあまり、「返り読み」をしてしまっているケースです。
英語はできるだけ前から理解しよう!
例えば、次の英文を考えてみましょう。
I went to a mountain in Osaka with my friends three weeks ago.
この英文を日本語に訳すと、
「私は3週間前、友達と大阪にある山へ行きました。」
となります。
もちろん、日本語として自然な訳を作るのであれば、これで問題ありません。
しかし、長文を読むたびに英文の後ろから前へ戻り、日本語の語順に並べ替えて理解しようとしていると、どうしても読むスピードが遅くなってしまいます。
そこで、おすすめしたいのが、英語を前から順番に理解する練習です。
先ほどの英文であれば、
I / went to a mountain / in Osaka / with my friends / three weeks ago.
「私は/山に行った/大阪にある/友達と/3週間前」
というように、英文を意味のまとまりごとに区切り、前から順番に内容を理解していきます。
日本語として多少不自然でも構いません。
大切なのは、わざわざ英文の後ろに戻らなくても、英語の語順のままで内容を理解できるようになることです。
もちろん、日本語訳を書く問題では、自然で正確な日本語に直す必要があります。
しかし、長文の内容を読み取る際には、頭の中ですべての英文をきれいな日本語に訳す必要はありません。
前から意味を捉える練習を繰り返すことで、少しずつ英文をスムーズに読めるようになっていきます。
③ 英語長文は「解いた後の復習」が大切!
英語長文の勉強で、もう一つ大切にしてほしいことがあります。
それは、長文問題を解いた後の復習です。
問題を解いて、丸付けをして、解説を読んで終わり。
これでは、せっかく長文問題に取り組んでも、十分な学習効果が得られません。
長文問題を解き終わったら、まずは一段落ずつ英文を読み直してみましょう。
そして、読んでいるときにわからなかった単語や熟語、意味をすぐに理解できなかった英文に印をつけていきます。
そのうえで、なぜ理解できなかったのか、原因を考えることが大切です。
- 単語の意味がわからなかったのか
- 熟語の意味を覚えていなかったのか
- 英文法の知識が不足していたのか
- 知っている文法でも、実際の英文の中では理解できなかったのか
このように、わからなかった原因を一つずつ明確にしていきましょう。
単語が原因であれば、その単語を覚え直す。
文法が原因であれば、該当する文法事項を復習する。
そして、もう一度その英文を読み、内容を理解できるか確認してみてください。
こうした復習を繰り返すことで、これまで読めなかった英文が、少しずつ読める英文へと変わっていきます。
長文問題を何題解いたかということも大切ですが、それ以上に、一題一題からどれだけ多くのことを学べたかを意識してほしいと思います。
④ おすすめの復習方法は「1つの長文を30回音読すること」!
英語長文の復習方法として、私が特におすすめしているのが音読です。
そして、生徒たちには、**「1つの長文を30回音読しよう!」**と伝えています。
30回という数字を聞くと、多くの中学生は「そんなに読むの!?」「絶対に無理!」といった表情を浮かべます(笑)。
しかし、実際に取り組んでみると、決して無理な回数ではありません。
30回音読すると、英文を読むスピードが変わる!
初めて読む英語長文であれば、1回読むのに2分、3分とかかることもあるでしょう。
しかし、同じ長文を繰り返し音読していると、少しずつ英文に慣れ、読むスピードが上がっていきます。
文章の長さにもよりますが、最初は3分かかっていた長文でも、繰り返すうちに1分以内でスラスラと読めるようになることがあります。
しかも、ただ速く読めるだけではありません。
英文を前から読み進めながら、頭の中で日本語の意味や情景を思い浮かべられるようになることが重要です。
30回という回数を目標に、意味を理解しながら繰り返し音読することで、こうした読み方を身につけてほしいと考えています。
30回と聞くと大変そうだけど、実は1日5~10分でもできる!
30回の音読と聞くと、非常に時間がかかるように感じるかもしれません。
しかし、慣れてきて1回1分で読めるようになれば、30回でも音読そのものに必要な時間は合計30分です。
さらに、30回すべてを1日で読む必要はありません。
例えば、
1日5回 × 6日間 = 30回
1日10回 × 3日間 = 30回
というように、何日かに分けて取り組めばよいのです。
1回1分で読める長文なら、5回で5分、10回でも10分です。
もちろん、最初は読むのに時間がかかるので、もう少し時間が必要でしょう。
それでも、毎日少しずつ取り組むのであれば、決して難しい勉強法ではないと思います。
ちなみに、私は生徒たちに、1回音読するごとに「正」の字を一画ずつ書いて、何回読んだかを記録するように伝えています。
「正」の字が6つ完成すれば、30回達成です!
回数を目に見える形で記録することで、自分がどれだけ頑張ったのかも確認できます。
ただし、何も考えずに30回読んでも意味がない!
ここで、一つ注意してほしいことがあります。
それは、ただ英語の文字を声に出して読むだけでは、長文読解の練習として十分ではないということです。
何も考えず、機械的に英文を読み上げるだけでは、30回音読しても思うような効果は得られないでしょう。
大切なのは、読んでいる英文の意味を、頭の中でしっかり理解していることです。
英文を音読するときには、読んでいる部分の日本語の意味や、その文章が表している情景を頭に思い浮かべてみてください。
最初はゆっくりで構いません。
英文の内容を理解できるスピードで、前から順番に意味を捉えながら読む。
これを繰り返していくことが大切です。
こうした音読を続けることで、英文を後ろから訳し直す癖が少しずつなくなり、英語の語順のまま内容を理解する力が身についていきます。
また、復習の際に印をつけた単語や熟語、理解できなかった文法事項についても、英文の中で何度も確認することになります。
わからなかった単語をノートに書き出して、何度も書いて覚えるという勉強方法もありますが、音読であれば、単語や熟語だけでなく、英文法や文章全体の意味もまとめて復習できます。
単語を何度も書き写すだけの復習と比べても、音読は非常に効率のよい勉強法だと考えています。
もちろん、回数をこなすこと自体が目的ではありません。
30回はあくまで一つの目標です。
英文の意味を正確に理解しながら、スムーズに読めるようになることを目指して取り組みましょう。
音読の発音は先生に確認してもらおう!
もう一つ、音読に取り組むうえで気をつけたいのが、英単語の発音です。
間違った発音のまま何十回も繰り返してしまうと、その読み方が身についてしまう可能性があります。
せっかく一生懸命練習するのであれば、正しい発音で取り組みたいところです。
そこで、できれば音読を始める前に、学校や塾の英語の先生に一度読んでいるところを聞いてもらいましょう。
発音や英文の区切り方など、おかしなところがあれば指摘してもらい、修正してから繰り返し練習することをおすすめします。
⑤ 中学1・2年生はどのように長文対策をすればよい?
ここまでは主に中学3年生を想定してお話ししてきましたが、中学1・2年生についても、基本的な考え方は同じです。
まず大切なのは、その時点までに習った英文法と英単語をしっかり身につけることです。
中学1・2年生の段階では、まだ学習していない文法事項も多くあります。
そのため、いきなり難しい長文問題に挑戦する必要はありません。
まずは学校や塾で学習した文法事項を確実に理解し、基本的な英文を正確に読めるようにしましょう。
英単語についても、塾の単語テストなどを活用しながら、その学年で必要な単語を一つずつ覚えていくことが大切です。
英単語の学習には英検の単語帳もおすすめ!
英単語の学習方法として、私がおすすめしたいものの一つが、英検の単語帳を活用することです。
英検には5級・4級・3級といった級があり、それぞれのレベルに応じた英単語を学習することができます。
例えば、英語が苦手な生徒であれば、まずは英検5級レベルの単語から始めるとよいでしょう。
5級の単語が十分に身についたら4級、そして3級へと、段階を踏んで学習を進めていきます。
英検の単語帳は、レベルに応じて無理なくステップアップしやすい点が魅力です。
すでに基本的な単語を覚えている生徒であれば、自分に合った級から始めても構いません。
学校や塾の単語学習と並行しながら、少しずつ語彙力を高めていきましょう。
基礎が身についたら長文問題に挑戦しよう!
英文法と英単語の土台ができてきたら、次は実際の長文問題に取り組んでみましょう。
塾で使用している英語のテキストにも、中学1・2年生向けの長文問題はたくさん掲載されています。
こうした教材を活用すれば、まだ習っていない難しい文法を無理に学習することなく、自分の学習段階に合った長文読解の練習ができます。
そして、長文問題を解いた後は、中学3年生と同じように復習していきましょう。
わからなかった単語や文法を確認し、英文の意味を理解したうえで、繰り返し音読する。
先ほど紹介した30回音読も、ぜひ取り入れてみてください。
中学1・2年生のうちから、英語を前から理解する習慣を身につけておくことは、中学3年生になってからの受験勉強にも大いに役立ちます。
日々の学習の中で、少しずつ長文を読む力を育てていきましょう。
⑥ 自分がどこでつまずいているのかを知ろう!
ここまで、英語長文の勉強法について紹介してきました。
しかし、一口に「英語が苦手」「長文が苦手」といっても、その原因は生徒によってさまざまです。
英単語が覚えられていない生徒もいれば、英文法の理解が不十分な生徒もいます。
また、単語や文法の知識は十分にあっても、英文の読み方や復習方法を改善することで、得点が伸びる生徒もいるでしょう。
大切なのは、ただやみくもに長文問題を解き続けることではありません。
自分がどこでつまずいているのかを把握し、その原因に合った勉強をすることが重要です。
英語長文が苦手で、何から勉強すればよいかわからないという人は、ぜひ塾の先生に相談してみてください。
今の自分に足りないものが何なのか、どの勉強から始めるべきなのかを明確にして、一つずつ取り組んでいきましょう。
英語長文は、正しい方法で学習と復習を積み重ねることで、少しずつ読めるようになっていくものです。
高校入試に向けて、日々の学習を大切にしながら、着実に得点力を高めていきましょう!
