【シリーズ第7回】モチベーションを維持するには

【シリーズ臨床心理士のつぶやき】

ダイエット、続いていますか?筋トレ、続いていますか?目標を決めたときには幸せな未来を想像し、高いモチベーションがあったにもかかわらず、なぜ人の夢は儚いのでしょうか(笑)?もちろん目標に向かって続けられる人もいますので、必ずしも儚いというわけではありませんが、今回はこの「モチベーション」について考えます。

モチベーションは目標を立てたときがピーク!?


ダイエットや貯金を始めると決めたとき、「今年こそ!」と高揚感(高いモチベーション)に包まれていることでしょう。実は脳の仕組みからすると、そこがモチベーションのピークなのです。あとは基本的に下がるようにできています。興味のある人は脳の神経伝達物質について調べてみましょう。目標を達成するまでの期間が長いほど飽きが生じてきて、続けることが苦痛に感じてきます。だから、モチベーションが下がらないように工夫したり、再び上昇させたりする必要があるのです。

続けることで習慣化する

一方、さほどモチベーションが高くなかったにもかかわらず、続くことがあります。それは最初こそモチベーションがなかったものの、やっているうちに脳が快に感じ始めて苦痛にならなくなる状態です。いわゆる、やってみたら意外にハマったという類の現象です。でもこの状態は、何かのきっかけで突然興味を無くすこともあります。そのため、やっていく中で何か目標が見つけられると、さらに良い結果が生まれやすいでしょう。また、やり始めたことを我慢して続けていくとやがて習慣になり、脳は続けることを苦痛に感じなくなることがあります。継続は力なりと言いますが、初めは嫌なことでも続けていくと、だんだんと嫌ではなくなることがあるのです。

目標はできるだけ見える化する

さて、ではモチベーションを下げない、または上げる方法を考えてみます。目標を決めるときには、まず目標が達成された幸せな状況を頭の中で想像します。「ダイエットに成功したら○○で△△をしている」など、細かく具体的な内容にしましょう。それを書き留めるだけでなく、写真など視覚化したものを必ず用意しましょう。脳は視覚からの情報を最も多く受け取っていますから、可能な限り目標が達成されたときのわくわくする状態が見て分かるようにしましょう。それらを目につきやすくすることで、目標を決めた時の状態を脳に思い出させることができます。もう一つ有効なのは、同じ目標に向かっている集団(環境)に加わることです。人間には同調しようとする心理が働きますので、励まし合えたり、時には競争意識が芽生えたりしやすくなります。それを続けていくと、いつのまにかその環境に加わることが習慣になってきます。こうなると、もはや当初のモチベーションはあまり関係なくなり、するのが当たり前の状態になります。勉強にも、これが当てはまります。

自分を褒めてこころの負担を減らそう

ここまでは、いわゆる自己肯定感がある程度保たれているか、こころに不安があまりない状態の話です。もし自己肯定感が下がっているのなら、まずは誰かに褒めてもらったり、自分の出来ているところを見つめ直したりすることが必要でしょう。また、こころに何か悩み事や未解決の物事があるときには、集中したくてもそちらに気を取られるので、まずはそれらの負担を減らすことが先決です。とはいえ、受験生にとっては期待と不安が入り混じっていると思います。「いくらやっても不安が消えない!」という人もいるでしょう。でも「不安があるからこそ勉強ができている」、こう考えることも有効かと思います。人事を尽くして天命を待つかのごとく、今自分にやれるだけのことをやれれば、後悔はないと思います。頑張って継続しましょう! 

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