大阪市都島区にある大阪府立都島工業高等学校(都島工業・都工)。1907年創立、大阪でもっとも長い歴史をもつ工業高校で、6つの専門学科があります。「工業高校って実際どうなの?」「就職と進学、どちらに強いの?」という疑問に、通っている在校生に聞いたリアルな口コミと、偏差値・倍率・進路実績のデータでお答えします。
都島工業高校の基本データ(2026年度)
| 正式名称 | 大阪府立都島工業高等学校(公立・共学)/2022年度に大阪市立から大阪府立へ移管 |
|---|---|
| 設置学科 | 機械科・機械電気科・建築科・都市工学科・電気電子工学科・理数工学科の6学科 |
| 所在地・最寄り駅 | 大阪市都島区善源寺町1-5-64/Osaka Metro谷町線「都島」駅4番出口から徒歩1分、JR大阪環状線「桜ノ宮」駅から北東へ約1km |
| 入試問題の種類 | 国語B・数学B・英語B(標準的問題) |
| 内申と当日点の比率 | 倍率タイプⅢ=学力検査1.0倍(225点)+調査書1.0倍(225点)の450点満点 |
| 出願の単位 | 「機械科・機械電気科」「建築科・都市工学科」はそれぞれ2学科をまとめた総合募集。「電気電子工学科」「理数工学科」は学科ごとの募集。第2志望の登録ができます |
出典:大阪府教育委員会「令和8年度大阪府公立高等学校等アドミッションポリシー並びに学力検査問題の種類並びに学力検査の成績及び調査書の評定にかける倍率のタイプ」、大阪府立都島工業高等学校 公式サイト
偏差値の目安
- 五ツ木模試:電気電子工学科・理数工学科は47.0、機械科・機械電気科・建築科・都市工学科は45.5が目安(創心館の進路指導の実感)
- みんなの高校情報:電気電子工学科52/機械科・機械電気科50/建築科・都市工学科50(2026年度/理数工学科は掲載なし)
模試ごとに母集団が違うため、数字だけの単純な比較はできません。お子さまの成績での合格可能性は、創心館の各教室で無料でご相談いただけます。
入試倍率の推移(一般選抜・締切時)
| 学科(募集の単位) | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|---|
| 機械科・機械電気科(総合募集) | 募集70/志願65(0.93) | 募集70/志願86(1.23) | 募集70/志願77(1.10) |
| 電気電子工学科 | 募集70/志願99(1.41) | 募集70/志願73(1.04) | 募集70/志願61(0.87) |
| 建築科・都市工学科(総合募集) | 募集105/志願99(0.94) | 募集105/志願103(0.98) | 募集105/志願115(1.10) |
| 理数工学科 | 募集70/志願47(0.67) | 募集70/志願33(0.47) | 募集35/志願31(0.89) |
| 学校全体の競争率 | 0.98 | 0.94 | 1.01 |
出典:大阪府教育委員会「大阪府公立高等学校一般入学者選抜(全日制の課程)の志願者数(締切数)」令和6年度・令和7年度・令和8年度。学科ごとの数字は第1志望者数÷募集人員で計算した参考値、学校全体の競争率は大阪府の公表値です。
都島工業は第2志望を登録できるため、第1志望の学科で不合格でも、第2志望の学科で合格になる場合があります。学科別の数字がそのまま合否の厳しさを表すわけではない点に注意してください。
もうひとつ大きいのが理数工学科の募集減です。2025年度まで70名だった募集が、2026年度は35名になりました。志願者数は33名から31名とほぼ横ばいですが、募集が半分になったぶん、見かけの倍率は0.47から0.89へ上がっています。
合格ラインの目安と対策
都島工業で押さえておきたいのは、国語・数学・英語の3教科ともB問題(標準的問題)だということです。同じ工業系でも、泉尾工業は3教科ともA問題、今宮工科は国語がB問題で数学・英語はA問題(いずれも令和8年度)。学校によって使う問題が違います。
さらに倍率タイプはⅢで、学力検査225点と調査書225点がちょうど半分ずつ。当日点だけでも内申だけでも決まらないので、中1・中2の評定から積み上げつつ、B問題に対応できる学力をつけていく必要があります。
卒業後の進路(2026年3月卒業生)
都島工業は「就職の学校」というイメージを持たれがちですが、実際は進学と就職の両方に進路が開けています。
- 国公立大学(現役・実人数)5名:大阪公立大学2名、北見工業大学1名、富山大学1名、豊橋技術科学大学1名
- 私立大学(現役・延べ)131名:大阪工業大学34名、大阪電気通信大学29名、近畿大学12名、関西大学9名、大阪産業大学7名、龍谷大学6名、大阪経済大学5名、摂南大学4名 など
- 高専編入:奈良工業高等専門学校1名
- 就職(学校推薦・現役・実人数)105名:関西電力送配電、一般財団法人関西電気保安協会、Osaka Metro(大阪市高速電気軌道)、西日本旅客鉄道、京阪電気鉄道、近畿日本鉄道、阪急電鉄、クボタ、島津製作所、住友電気工業、三菱重工業、パナソニック など
- 公務員(現役・延べ合格)54件:国家公務員10、大阪広域水道企業団9、大阪市6、東大阪市5、大阪府3 など
出典:大阪府立都島工業高等学校 公式サイト「進路状況」令和7年度 進学・就職情報(令和8年4月1日現在)
学年全体の内訳としては、大阪府教育庁の広報誌に、令和5年3月卒業生342名のうち進学169名(4年制大学132名・短期大学等37名)、就職165名(民間139名・公務員26名)、進学準備等8名という数字が掲載されています。おおよそ進学と就職が半々の学校、というイメージです。同じ記事では、資格取得を評価するジュニアマイスター顕彰制度の令和4年度認定者数で、全国上位30校のうち近畿地区では都島工業だけが入ったことも紹介されています。
出典:大阪府教育庁「きょういくニュース」第257号
併願私立の例(創心館の進路指導では)
創心館の進路指導では、志望する学科によって併願先が分かれます。
- 電気電子工学科・理数工学科(五ツ木の目安47.0)を志望する場合:大阪電気通信大学高校、大阪産業大学附属高校 あたり
- 機械科・機械電気科・建築科・都市工学科(五ツ木の目安45.5)を志望する場合:大阪産業大学附属高校の進学コース、興國高校のプレミアムアドバンスコース あたり
都島工業は同じ学校の中でも学科によって目安が1.5ポイントほど違うため、併願校も「どの学科をねらうか」とセットで考えることになります。
※偏差値・倍率・進路実績は2026年9月時点の公開情報に基づきます。最新の募集人員・出願方法は必ず学校公式サイトや説明会でご確認ください。
在校生に聞いた、都島工業高校のリアル口コミ
ここからは、創心館に通う都島工業高校の在校生(高校1年生・電気電子工学科)に聞いた、学校生活のリアルです。
1.学校の雰囲気は?生徒はどんな人が多い?
生徒同士は比較的仲が良く、けっこうフレンドリーな雰囲気です。ぼくがいる電気電子工学科は男子がかなり多くて、男子が約68人、女子が約2人です。
2.授業中は静か?先生の授業は分かりやすい?
授業中は比較的静かで、先生の授業も分かりやすいです。特に化学基礎の先生の授業が分かりやすくて面白いです。あと、情報工業数理のような、工業高校ならではの授業もあります。
3.校則は厳しい?スマホは使える?
一定のルールはありますが、中学校よりは少し緩いくらいの感覚です。服装は、靴や靴下などはある程度自由です。スマートフォンは、校内では電源を切ることになっていて、使用は禁止されています。
4.部活動はどんな感じ?
工業高校らしく、コンピューター研究部のような特色ある部活があります。モールス信号や無線を扱う部活もあります。ただ、女子生徒が少ないこともあって女子向けの部活は多くなく、女子バスケットボール部などはありません。
(学校公式サイトの部活動一覧では、文化部にコンピュータ研究・建築研究・理科研究・吹奏楽・美術・写真・ESS・軽音楽、同好会にアマチュア無線・自動車研究・都市工学研究・鉄道研究・囲碁将棋などが掲載されています。アマチュア無線同好会は430MHz帯での交信や、アマチュア無線技士の資格取得勉強会を行っています)
5.他の学校にはない取り組みは?
特徴的なのは、生徒全員が文化祭に関わることです。あと、生徒自身が中学生向けの学校説明会などでプレゼンをする機会もあります。
6.時間割・登下校の時間は?
登校は8時20分までで、8時20分からショートホームルームが始まります。通常の授業日は1コマ45分の授業が7時間です。木曜日は6時間授業になる場合もあります。ふだんは15時30分ごろに学校が終わります。
7.宿題は多い?長期休暇は?
夏休みは8月末ごろまであります。宿題も複数の教材や課題が出るので、工業高校だから宿題が少ない、ということはないです。
8.体育祭や文化祭はどんな感じ?
文化祭は生徒全員が何らかの形で関わります。体育会は学科ごとに活動することがあって、ふだんあまり関わる機会のない同じ学科の先輩とも、練習や行事を通して交流できます。
9.資格は取れる?
工業高校ならではだと思いますが、資格取得に向けた取り組みが授業の中に組み込まれています。ぼくの学科では、高校1年生で計算技術検定の3級・2級を受験します。資格取得に向けた授業もあるので、学校の授業に沿ってしっかり取り組んでいけば、資格を取りやすい環境だと思います。
10.卒業後の進路は?
自分の進路はまだ決めていません。ただ、都島工業は就職にも強くて、就職先としては大阪ガス・JR西日本・関西電力といった名前を聞きます。
11.後輩たちに一言お願いします。
自分が興味のある学科に行ったほうがいいです。工業高校は学科によって学ぶ専門分野が大きく違います。だから「この学科なら入れそうだから」という理由で選ぶのではなくて、自分がその分野に興味を持てるかどうかで学科を選ぶのが大事だと思います。実際、入学してから学ぶ内容に興味を持てなくて、学校を辞めてしまう人もいます。
都島工業を受けるなら、「都島工業に入りたい」だけじゃなくて、「どの学科で何を学びたいのか」まで考えておいてほしいです。
12.筆者の感想
今回の取材で一番印象に残ったのは、「入れる学科」ではなく「自分が興味を持てる学科」を選んでほしい、という在校生の言葉でした。
これは都島工業の入試の仕組みとも関係します。都島工業では、「機械科・機械電気科」と「建築科・都市工学科」はそれぞれ2学科をまとめた総合募集ですが、「電気電子工学科」と「理数工学科」は出願の時点で学科を選びます。つまり、中3の秋から冬の段階で「電気・情報をやりたいのか」「理工系の大学進学を見据えたいのか」を決めておく必要がある学科があるということです。
学力面では、3教科ともB問題・倍率タイプⅢ(学力検査と内申が1対1)という組み合わせがポイントです。工業系でもA問題を使う学校がある中で、都島工業は5教科の勉強をきちんと積み上げてきた生徒が受ける学校になっています。ものづくりへの興味と、5教科の学力の両方が要る、と考えておくとよさそうです。
進路のデータを見ても、大阪工業大学・大阪電気通信大学・近畿大学・関西大学といった進学先と、関西電力送配電・Osaka Metro・JR西日本・クボタ・パナソニックといった就職先、そして公務員が並びます。「高校を出て働く」「専門を活かして大学に進む」のどちらも選べるのが、この学校の強みだと言えます。
創心館では、都島工業をはじめとする工業系高校の受験相談も承っています。五ツ木模試の成績や内申から、どの学科がどのくらいの位置にあるのかを一緒に確認できます。まずはお気軽にご相談ください。
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